nonスケール ティル 組み立てサポート編

こちらはB.M.W製ガレージキット『nonスケールアクションフィギュア ティル・ニー・ノグ』の組み立て手順を解説・サポートするページです。

まずは上の画像を参考に、部品の確認をして下さい(これはテストショットなので、部品の色や形状は製品と一部異なります)。計53パーツ入っていますが、前髪の部品1コは予備です。

キットにはこれ以外に『組紐x2』『ビニール皮膜針金x2』『瞳シールx1』が付属します(注:WF2010夏で購入された方には、のちほど郵送しました)。

これらの使い方ものちほど詳しく説明しますので、今は汚さないように別にしまっておいて下さい。

関節部分には別売りのジョイントを使用します。

ホビーベース イエローサブマリン 関節技 球体ジョイント』が2つ必要ですので、別途お買い求め下さい。色はライトフレッシュが、キットの服の色に近くて目立ちません。数は2つで足りますが、メカ部分の関節用に、Gグレーのジョイントもひとつあると便利です。

キットの組み立てには工具を色々必要としますが、中でも重要なのはジョイントを取り付ける穴を開けるためのドリルです。ジョイントの軸は3mmですが、可動の渋味を考えると2.9mmドリルで開けた方がいいようです(ジョイントのメーカーのHPでも推奨されています)。

その他の必要な工具については、別頁GKビギナーズ!!も参照して下さい。


ここでちょっち実験タイム♪

この球体ジョイントに塗装できない物か?と考えた人も多いと思いますが、実際にやってみました。
Mr.カラーで塗装後、スパチュラで表面をこすってみると…ハゲちゃいましたね(汗)。でもそんなにバリバリ剥げるという印象ではなく、特にジョイント表面はナシ地になっているためか、思ったより定着している感じです。これはこれで充分使えるかも。

さてお立ち会い、こちらも同じくMr.カラーで塗装後スパチュラでこすってみたんですが……アレ? ツヤは出ますが剥げませんよ? 同じMr.カラーなのになんで…?

実は使った溶剤が違うんです!

こちらがその溶剤『Vカラー専用シンナー』。

これは本来、ソフトビニール専用塗料『Vカラー』を希薄するための溶剤なんですが、Mr.カラーをこれで溶くとPVCなどへの定着がグッとよくなります。球体ジョイントはポリカーボネート製らしいんですが、効果あったようですね♪ もちろん全くハゲない訳ではありませんが、Mr.カラーそのままよりはかなりマシだと思います。

塗装前にこの溶剤を綿棒に含ませてジョイント表面を一拭きしてやると、さらに効果が高まりますよ。

実際に使用する際は、ジョイントがランナーに付いたままの状態でエアブラシで塗装し、組み立てたあとでゲート跡を筆でリタッチするといいでしょう。組み立てた状態で塗ると、溶剤の影響でジョイントが割れる可能性があるので、注意して下さい。なお、ハメ込み部分に塗料が付いた時は、ちゃんと削り落としておくこと!
ジョイントを明るい色に塗りたい時は、ベースには白やフレッシュのジョイントを使うようにして下さい。グレーなどの暗い色の上に明るい色を塗ってもうまく発色しませんし、ハゲた時にみっともなくなります。

ただしこのVカラー専用シンナーで溶いた塗料で、プラモデルを塗っていはいけません! 成分が強力なので、溶けたり割れたりしちゃいますよ(汗)。この溶剤で溶いた塗料は元のビンに戻さないで、使い切るなり別の容器に保存するなりするようにしましょう。


気泡はなるべくレジン片で埋めておきます。スネ部品は気泡と言うより抜き損じで、大きく欠けている状態だったので、見ての通りかなりダイナミックに修正しています(笑)。ポツポツとあせものような気泡もありますが、これはどうしようもないので、見なかった方向で(汗)。この辺の工作についても、GKビギナーズ!!を参照してもらうといいと思います。
ジョイントを差し込むために穴を開けますが、コツをいくつか伝授しましょう。

まずいきなり目的の太さのドリルを使わず、細い物から順に太くしていくのは基本のキです!

それとこのキットには何ヶ所か、穴の深さに制限がある箇所があります(後述)。うっかり貫通させてしまうと修正が大変なので、穴を覗いて光にすかしながら、徐々に掘り進めて行くようにしましょう。画像のように穴の反対側に指を当てておくと、万一貫通しそうになっても皮一枚で踏みとどまることができますよ(汗)。

てきとーに穴開けしていたら、位置が中心からずれちゃいました(白丸が最終的な3mm穴の位置)。

もちろんわざと失敗したんですが(笑)、このままドリルを太くしていくと、当然目的の穴の位置からズレていってしまいます。これを修正してみましょう。

極細彫刻刀平刀を用意して、これで穴の側壁を削っていきます。

極細彫刻刀は1000円前後とやや高めの道具ですが、使用頻度が高い便利な物なので、買っておいて損はありませんよ♪

穴のズレた側と反対側を削り、穴全体を楕円形っぽくします。

この状態で、さっきより一段階太いドリルを入れて削ると、穴の位置が中心へ戻り、形も徐々に真円に近づいていく訳ですね。

穴が正しい位置に戻りました。

このようにドリルを段階的に太くしていく方法だと、最初の失敗を後の穴開けの際に修正していくことができます。いきなり目的の太さで開けてしまうと、いざ失敗した時に修正が大変なので、気を付けましょう!

穴の位置は合っていても、穴を開ける角度を間違えることもありますね。この場合も似たような方法で修正できます。

青線が間違えて開けた穴で、赤線が目的とする穴の位置です。
穴の位置を修正するため、まず黄色の部分を極細彫刻刀で彫ってやります。ですがそのままでは穴がスカスカになるので、反対側の紫の部分にレジンの細切りを瞬着で接着。硬化したらドリルを差し込んで、グリグリと穴の内側をならしてやればOK。多少不格好になりますが、ジョイントを差し込む穴としての機能は、充分果たせるハズですよ。

穴を開けたらジョイントを密着させるため、穴のふちをスリ鉢状にならしてやります。

画像のようなビットを使って指でクルクル回してやれば簡単ですが、デザインナイフを差し込んでクルッと削ってもいいでしょう。くれぐれも削りすぎには注意! 軽くならせば充分です。

ジョイントを差し込むと、こんな感じになります。

ジョイントを取り付ける面が半球状にえぐれている箇所では、このようにジョイントの球体がそこにピタリと収まります。ジョイントの軸の長さや穴の深さを調節して、うまく取り付けて下さい。


ここからは穴を開ける角度の具体的な説明です。
画像の赤いシマシマ部分が穴を開ける位置。太さは特に指示がない場合は、すべて3mmです。黒線は部品の内側の形状を表しています。黄色の『注!』は、穴をうっかり貫通させないように注意せよ!という意味です。慎重に掘り進めるようにして下さい。穴の深さは特に指示がない場合は、任意で調節して下さい。
胴体です。首の部品は真鍮線を使って、胴体としっかり接着しておいて下さい。

ご覧のように、穴は内部でかなり入り乱れます。場合によってはつながってしまう穴もありますが、それはそれで問題ありません。ジョイントの先端がぶつかる時は、お互いに削って調節して下さい。

下の小さな部品は、腰の内部フレームです。『マエ』と書かれている方が正面になります。

足の部品です。スネ内部の穴は、上下に貫通させてしまってかまいません。

足首はツマ先の部品を、真鍮線を通してガッチリ接着しておきます。

腕の部品です。前腕の穴は上下に貫通させて下さい。手首の穴開けは特に注意が必要です!手の平の厚みの中心を貫くような感じで、深さ3mm程度の穴を開けます。手に重い物を持つ訳ではないので、穴は浅くてかまいません。ギリギリの肉厚しかありませんので、くれぐれも貫通させてしまわないように注意して下さい!
背中のアーマーです。ここは太さ3.2mm3mm2mmの三種類の穴を開ける必要があります。太さ2mmの穴は開ける面に対して垂直になるように、注意して開けて下さい。上の画像のように左右の穴は一直線ではつながらず、ヘの字型に曲がった形になります。
アーマー時のスネ部品です。この部品自体には左右の区別はありません。ヒザと足首用の穴は、本来内部で互い違いになる予定でしたが、このように貫通させてしまっても問題ないようです。ヒザと足首部分には画像のような部品を接着しますが、ヒザの部品には左右の区別があり、これによってスネ全体が右用か左用か決まります。
肩アーマーです。

上の画像のように加工し、左のように組み立てます。可動部はうまく調節すれば、『パチッ』とキレイにハマるはずです。

ランナーは球体ジョイントの物を切り取って使用して下さい。

腕は先端のドリル部分を接着。回転するようにしてもかまいませんが、あまり意味がないかも(笑)。
腰の部品はベルト部分を折らないように、注意しながら整形して下さい。
胸にグレーのボックスを固定する際は、この画像を参考に。下側が少し前に突き出した感じにすると、胴体の可動範囲が確保できます。ただしこの時点ではまだ接着しないで下さい! 接着は動力パイプの組み立ての際に行ないます。

そのボックスには3.2mm径の穴をふたつ開けておきます。

左右の板状のアーマーは、真鍮線で取り付けてください。

DNA採集器は平手に持たせることができますが、固定するための仕掛けは特にありません。真鍮線で差し込むのがベストですが、両面テープで固定するだけでも充分でしょう。
ふたつある後頭部の部品のうち、ひとつの後ろ髪部分は画像のようにカットして下さい。カットした部分はヤスリで整えます。

ヘルメットを脱いだ状態で組み立てる際には、後ろ髪がヘルメットのジョイントに引っかかってしまうため、髪を短くしたこの部品を使用します。

前髪の部品は一個あまるので、予備として使って下さい。


胸の動力パイプの組み立てです。

付属の針金を用意し、中の芯線を取り出しておきます。棒などで押し出してから、ペンチで引き抜くといいでしょう。使うのはビニールの皮膜の方です。

胸のボックスに開けておいた3.2mm径の穴に、ビニール皮膜を差し込みます。ねじりながら押し込むと、接着しなくてもしっかり固定されます。どうしても入らない時は穴を広げて下さい。
背中アーマーの3.2mm穴に、ビニール皮膜を差し込みます。いささか強引ですが、片方ずつ押し込んで下さい。ここの穴は3.3mm径にしておいた方が、楽に作業できるかもしれません。
この時点でグレーのボックスを、背中アーマーの胸部分に接着します。ビニール皮膜の応力に負けないように真鍮線を深く挿し、ガッチリと接着して下さい。
ビニール皮膜をさらに深く押し込んで、形を調節します。形が決まったら矢印の部分に瞬着を流し込んで接着し、はみ出たビニール皮膜を切り取れば完成です!

本体に使用する球体ジョイントのサイズ一覧です。成型品で画像を撮り忘れたので、原型状態ですが(泣)。

単にジョイントを差し込むだけでなく、穴が浅かったり(注!マークの所)、ジョイント同士が内部でぶつかる場合には、軸を切って長さを調節する必要があります。

現場合わせになりますが、うまく調節して下さい。

腰の内部はこのような形になります。

腹の12mmジョイントは、軸の付け根までしっかり押し込み、下に突き出た部分はカットします。

股関節の10mmジョイントは、奥まで入れすぎないように注意して下さい。フレームに穴を開けてジョイントを差し込めば、画像の位置で止まるはずです。

股関節と足首にはポリキャップを仕込んでみました。

ここは差し込み軸が回転軸として機能するんですが、体重を支える重要な部分ですので、踏ん張りが利くようにポリ化してみたワケです。必須の工作ではありませんが、ご参考までに。

ここからフルアーマー化です!

まず背中に10mmジョイントを差し込みます。フレッシュよりグレーの物の方が、見た目に自然なのでオススメ。

背中アーマーを上から被せるように差し込みます。

このときティル本体には、両腕は付いていてもかまいませんが、頭部とマフラーは外しておいて下さい。

画像はありませんが、この作業の前に腰のアーマーを着けておいたほうがいいでしょう(腹部を上下に外して、腰に被せる)。

差し込む穴はこちら側です。

差し込むとジョイントの先端が少し飛び出しますので、ニッパーでカットして下さい。

ヘルメットに6mmジョイントを取り付けておきます。

首にアーマモード用のマフラーを引っ掛けておき、上からヘルメットを差し込みますが、まだ軽く引っ掛ける程度にしておいて下さい。

後ろからジャバラの部品を、ヘルメットの下に潜らせるように取り付けます。これはどこにも固定されない浮きパーツです。

最後にヘルメットのジョイントを奥まで押し込んでやると、ジャバラが外れなくなるワケですね。

ヘルメットを脱いだ状態にする場合は、まずティルの後頭部を短くカットした物に換装し、マフラーとともに取り付けておきます。そしてヘルメットのジョイントをまっすぐに延ばし、背中のもうひとつの穴に引っ掛けるように取り付けてください。
組紐を取り付けます。

組紐の両端には木工ボンドが塗られていて、ほつれ止めがしてあります。そこにゼリー状の瞬着を着けて、穴に差し込んで固定します。通常の瞬着ではしみ込んでヒモが固まってしまう可能性がありますので、注意して下さい。水性木工ボンドでも、しっかりくっつくと思いますよ。

腕のドリルを肩アーマー裏に取り付ける時は、3mmランナー部分に差し込んで固定してください。
ところでこのキットは、頭頂部のアホ毛が再現されていません。

うまくレジン抜きする自信がなかったので省略したんですが、キットに付属のレジン棒から削り出して自作してみました。細かい作業になりますが、挑戦してみてはいかが?


瞳シールを貼りましょう。キットには通常顔と怒り顔用のシールが付いています。予備もあるので失敗しても大丈夫♪

新品の刃を着けたデザインナイフで、印刷のふちにそって切って行きます。余裕をもって大きく切ると、瞳の位置を合わせるのが難しくなるので、ギリギリでかまいません。白目やハイライトの部分は、大体の見当で切ってください。

まずまぶた部分に黒を塗ります。画像ではガンプラリアルタッチマーカーを使いましたが、普通のマジックペンでもいいでしょう。

まぶたの外側のふちは丁寧に描く必要がありますが、瞳側にははみ出してもかまいません。というか、少しはみ出した方がいいです。

シールを乗せて貼り付けますが、一気に貼らずに眼球のふちのラインを探りながら、徐々に位置を合わせていきます。少しずつ馴染ませていけば、眼球の曲面にもシワなく貼れるはず!

仕上げに眼球のふちにそって、爪楊枝などの固すぎない物で押し付けて密着させます。シールをこすりすぎると印刷が剥がれるので注意して…。

眼球のふちの段差をなぞるように、デザインナイフでシールのはみ出た部分を切っていきます。必ず新品の刃を使うようにしてください!
貼れました♪

口は御自分でガンバって塗ってください(笑)。ヒゲを植毛するのもいいでしょう。

さて、とりあえずこれで組み立てサポートは終わりです! 部品の差し替え部分の調整など、初心者には難しい部分もありますが、ガンバってみてください。

私の完成品サンプルはこれらの作業に加えて、全体を磨いてからメタルプライマーを吹き、キズを修正した箇所への部分塗装を行ないました。さらにシールを貼ってからティル本体にはツヤ消しクリアーを、アーマー部分には半ツヤクリアーを吹いています。みなさんも完成画像を参考に仕上げてみてください! 健闘に期待します!!

完成画像はコチラ!⇒Galleryボタン
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